0097:トヨタESV
トヨタESVは、1970(昭和45)年2月、米国運輸省が提唱したESV(実験安全車、Experimental Safety Vehicle)の開発計画のうち車重2,000ポンド(約900㎏)のESV開発に応募するために制作されたものです。米国政府は、日本政府および西ドイツ政府などにESV開発の協力を求め、米国、日本、西ドイツなど世界各国の自動車メーカーがそれぞれ協力しました。1枚目の写真上段が実際に日本政府に10台納入されたものと同型で、ESV-1と呼ばれるものです。下段は1971年11月に開催された東京モーターショーに「ESV-2」として展示されたショーカーであり、ESV-1のコンセプトにより実用性を加味して制作されたものです。
当初、このESV-1は一般には公開されず雑誌や新聞の写真等でしか接することが出来ませんでした。最近、このESV-1が名古屋駅近くのトヨタ産業技術記念館で展示されていることがわかり、見に行ってまいりました。モーターショーで展示されたESV-2と異なり、メッキモールによる加飾がなくスッキリしていることが最大の魅力です。ついさっきロールアウトしたばかりのようなコンディションであり、軽快なデザインでできればこのまま市販してくれていれば...と思わざるを得ませんでした。
室内にはこのプロジェクトの評価のために開発されたダミーも載せられ、当時「見たくても見ることの出来なかった車体」を50年以上ぶりに初めて見ることが出来てたいへん感動いたしました。
さて、こちらは1971年11月の東京モーターショーで実際に自分で撮影してきたESV-2です。アルバムからかなり退色してしまった写真をスキャンし、掲載いたしました。ESV-1と比較するとわかるように、ウインドウ周囲にメッキモールが加わったばかりか、バンパー上面もメッキが施されてあたかも当時モノの乗用車っぽくなってしまい、会場でひと目見てえらくガッカリした記憶があります。
ここでモデルさんがドアを開いて示しているのが「乗員がシートに座ると自動的にベルトが着用状態になるパッシブラップベルト」です。3単式にはなっておらず、2点式に留まっています。
こちらの線図は当時開発に携わっておられたT氏よりお譲りいただいたもので、たいへん貴重な資料です。
このESV-1およびESV-2に関わる資料は非常に乏しく、以下のトヨタ内部の歴史ページぐらいしかありません。
また、このような車両なのでミニカーも発売されてはいなかったようです。
なお、この後発売されるコロナRT100/110系は、このESVの思想を反映して設計された、として人気を博しました。












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