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2006.07.30

治りにくい頭痛の対策

 久しぶりにカラッと晴れて「日差しは暑いが日陰は涼しい」東京にはめずらしい夏日となりました。レジャーに最適ですが、悲しいかな本日は頭痛関連の「ADITUS全国会議」が赤坂プリンスホテルで開催され、そちらに参加してきました。トリプタンが登場して5年、「効くはずなのに効かない」「どう飲ませるかを指導できない」「予防薬の組み合わせは」などのトリプタン剤に関するノウハウを公開しあって頭痛患者さんの日常環境を改善しようという動きが続いています。本日の目玉は「月経時の片頭痛」と「薬物連用性頭痛」で、さらに「頭痛をめぐる病診連携」「トリプタン剤服薬指導」も演題に上がりました。
 興味深いキーワードとして、名古屋の寺本先生が「生理に伴う頭痛を『生理痛の一部』と思いこんであきらめている女性が多い可能性がある」とフロアからコメントしておられました。その通りだと思います。婦人科の出口で待ちかまえるわけにもいきませんが、生理の際に普通の鎮痛剤を服用しても(下腹部痛はおさまるのに)頭痛が残るタイプの方は是非神経内科の診察を受けましょう。

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2006.07.20

Bluetooth+国際ローミングの新型ケータイ

 先週発表されたドコモの702iシリーズ。注目はモトローラ製のM702iGです。同じモトローラ製のM702iSはさらに軽く・薄くて国際ローミングも可能ですが、なんといっても対応エリアが3G可能圏のみと狭く、iGのGSM+3Gは無敵です。発売が待ち遠しい1台です。これで(海外旅行の時しか使っていない)VodafoneとAUの2台は解約できるかも。

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2006.07.19

院内電話(部分)更新

0607aihon 平成9(1997)年、現在の当院が建ち上がったときからずっと使用していた院内電話(アイホン製ビジネスホン)のうち、ワイヤレス機器が数年前から徐々に使用できなくなってきていました。通話音が聞こえにくくなり、最終的には接続不能になってしまいます。いちど修理にサービスの方に来てもらったことはありましたが「親機と子機を両方持ち帰って1〜2週間かけて調整しなければ直らない」とのことで個別の修理は諦め、有線接続の固定機4台の他にワイヤレスは当初4台あったため、使えなくなったものは捨て、健在な遊休機器を1台ずつ診療机の上にまわして使っていました。
 しかし、予想していたことですが、とうとうXデーが今月初めに訪れました。最後の1台がついに「ピー」という接続不能音をだしてご臨終。さて困った。有線機器はまだまだ使用可能で、すべて置き換えるのにはパナソニック製のビジネスホンで(外線2回線、有線4台・無線3台、ドアホン2台)約40〜50万円の見積もり。そんな余裕はないし、とりあえずもう一回サービスマンに来てもらうことにしました。現在、アイホンはすでにビジネスホン市場から撤退し、ドアホンとセキュリティ専業の会社となっていますが、ちゃんと古い機材の面倒も見てくれます。朝早く来られたサービスマンの方に相談してみると、個々の機器に接続されているモジュラージャック(6芯、RJ-45と同等)の中央2本が外線1、その外側2本が外線2、そして一番外側の2本がインターホンであり、通常の電話機なら直接接続可能とのこと。早速用意していた電話機を無線機器を外して露出したジャックに接続すると、みごと3657-5470に直通。このため、自分で電気店で配線プレートなどを購入し、モジュラージャックをきれいに始末して、ワイヤレス電話を外線それぞれに1台ずつ設置しました。このため診察机周りには2台の新たな電話が鎮座することになりました。古いワイヤレス機器は(それまで放置していたものも含めて)取り外して記念写真を撮ってからお蔵入り。9年間ご苦労様でした。有線機器はまだまだこれからも使い倒します。これで明日からは患者さんの前で電話がとれるように復旧しました。めでたし、めでたし。
 新設したワイヤレスのうち1台は自宅で回線に繋がってはいても使われていなかった古いユピテル製の機器です。とっくにマニュアルもなくなっていたのですが「発信専用」とするために新たな電話番号登録が必要で、製造会社(こちらも自動車用のレーダーセンサーなどを主体に業種変更・すでに電話機器の扱いは無し)に問い合わせたところ、快く当該機種のマニュアルの関連ページをファクスしてくれました。こうした「時を越えた」サポートは非常に心強いですね。アイホン・ユピテルの両社に感謝。

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2006.07.08

脳神経関連研究会2題

■SCD研究会(7月6日・市ヶ谷)
SCD(脊髄小脳変性症)にかかわる遺伝子情報・電磁刺激治療に関する発表がありました。かなり先端的な内容で、どうすると日常的な診療に役立つかわかりませんでした。来場していた日医大第二内科のスタッフによると、電磁刺激治療はすでに千駄木でも始まっており数人の患者さんを対象にしているとのことでした。懇親会で東大の辻教授が昨年TV放映された「1リットルの涙」について触れられ、監修にはかなり神経を使い「それに関わった医局員の涙は10リットルでした」とのことでした。
■脳卒中フォーラム(7月7日・新宿)
診療が長引き、メインの峰松先生(国立循環器病センター)の講演に間に合うのがやっとでした。脳梗塞急性期治療薬「rt-PA(商品名アルテプラーゼ)」の認可に関わる興味深いストーリーをうかがいました。発症3時間以内、初期CT変化がなく症状がある程度以下であれば安全に障害を軽減することが出来ること、とはいえきちんとした施設基準がない状態で使用することの危険性などを再認識しました。

どちらも神経内科(脳卒中フォーラムは脳神経外科も含まれる)の守備範囲ですが、出席者がまるで異なっているのは日本の神経内科の特徴です。

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2006.07.05

続・トリプタンが効かないとき

こちらからの続きです。
このディスカッションは以下のような前提で始まっています。「問診・診察で片頭痛と診断され、さらにCTやMRI等の一般的画像検査で二次性頭痛(脳腫瘍・脳動脈の異常など)が否定された症例にトリプタン剤を処方したものの効果がなかった場合にどのようなアプローチを行うか」

(1) トリプタン剤の服用の仕方を再指導する:頭痛がはじまったらなるべく早期に服用する、しかし、前兆が現れただけで服用するのは早すぎる
(2) 最初に処方したトリプタン剤とは異なるトリプタン剤を試してみる:トリプタン剤と患者さんの間には「相性」があり、1種類が効果がなくても他剤で効果が出る場合がある
(3) 制吐剤(ナウゼリン等)の併用:片頭痛は嘔気をともなうことが多く、仮にトリプタンの口腔内崩壊錠であっても消化管からの吸収がうまくいかないことがあり、これを予防することは有意義である
(4) 片頭痛予防薬を普段から服用してもらう:カルシウム拮抗剤(ミグシス・テラナス)、βブロッカー(インデラル)、三環系抗うつ剤(トリプタノール等)、SSRI(パキシル等)、漢方製剤(五苓散等)などが有用といわれる
(5) 緊張型頭痛の合併例(旧来の「混合型頭痛」)を考慮した発作時薬・予防薬を試みる:解熱鎮痛剤の併用(発作時・アセトアミノフェン、ロキソニン等)や、精神安定剤(デパス等)、筋弛緩剤(テルネリン・ミオナール等)、漢方製剤(葛根湯等)などを予防的に服用する
(6) 生活指導をやりなおす:規則正しい生活、ストレスからの離脱、十分な睡眠・運動を勧める
(7) あらためて二次性頭痛の検討を行う:静脈系も含めた脳画像の検討(通常のCT/MRIでは検討しないような検査を含める)、頚椎病変の検討、血管炎などに対する膠原病類似疾患の検討など
(8) 精神神経科的疾患のスクリーニング
(9) 他に服用している薬剤がないかどうかの再聴取(慢性連日性頭痛の可能性の検討)
(10) 血圧が高めの症例にはARB(アンジオテンシン受容体阻害薬)を加える

これだけですべての症例が解決するわけではありませんが、出席したドクターの経験などで出てきたひとつの方向性です。中にはガイドライン通りのものもあり、また「ほう」というべきものもありますが、トリプタン剤という有効な片頭痛治療の武器を手にいれつつ全ての患者さんを救済できるわけではない現状を少なからぬドクターが憂い、工夫しているのは事実です。

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2006.07.02

G2 Macの延命治療

0607acceralator 久々に古いMacをいじりました。ネタは、ファイルメーカのサーバを稼働させている6300/160と、耳鼻科デスク上の7300です。6300はかつて診療室のメイン機として使っていたときにはL2アクセラレータを入れていましたがサーバ転用時に安定性確保のためオリジナルに戻していました。また、 7300は秋葉館オリジナルのG3/400のアクセラレータを入れてありました。どちらもSonnet Technologies製ですが「中古ですが良品・格安」とか「流通在庫・新品」などというセールストークに乗せられて米国のVintage Computerから調達しています。どちらも以前の製品とは異なりかなり安定しているようですが、7300は機能拡張をオフにしないと運用のためのファイルをインストールすることが出来ませんでした。そして写真でわかるようにファンつきのためちょっと賑やかになりました。メリット?そうですね。たしかに印刷は速くなりました(処方箋などOSX機より速い)。でも、いちばんのメリットはCPUが新しくなったことから寿命が延びた(ような気がする)ことでしょうか。アクセラレータは肝心のCPUが製造されなくなるといつの間にかフェードアウトしてしまうのが常で、入手困難になってしまうのです(売られているウチが買い時)。この世代のPCIになったばかりの頃のMacはSCSIが使えたり、それでいてネット接続もちゃんとできたりして古い周辺機器(たとえばA4フルサイズの透過原稿をスキャンできるSCSIスキャナなど)に頼る作業のためには是非とも延命させたい機材です。ですから、OSは9.1のまま、Photoshopも5.02のまま、そっと使い続けるつもりです。
Bootcamp 実は、新規導入したMacBook(黒)にはBoot Campを使ってWindows XP Homeをインストールして運用中です。これまでモバイル用にはPower Book G4(12')とVAIO SRXをお出かけ先によって使い分けていましたがこれで2台分を一度に持ち歩けることになります。この状態の器材を使って気づいたのですが、Boot Campの本当の狙いは別パーティションにインストールしたWindows OSのAPIを次世代Mac OSのデスクトップから引用してあたかもこれまでのOS9のクラシック環境のようにWindowsソフトをデスクトップ上で直接動かすことが目的のように思えてきました。つまり、Windowsソフトをエミュレータ無しにMac上で作動させるコンセプトです。そうなって欲しいし、そうだといいなと思います。同じことをMac People 7月号で飯吉透さんが『「マックOS上で、ウィンドウズアプリケーションを直接動かす」というアイディアは「ウィンドウズOSのセキュリティー面での脆弱性を伴わずに、ウィンドウズアプリケーションを使うことが出来る」ということだ』と書いておられました。

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2006.07.01

トリプタンが効かないとき

0607mcss Migraine Clinical Speaker's Seminar (MSCC:ファイザー主催・日本頭痛学会後援)の東日本ミーティングが品川プリンスホテルで開催されました。基調講演は慶応・鈴木則宏教授の「脳のサイエンス」でしたが、その後はいつものこうした会とは異なり、6題のテーマごとに別れて出席したドクター同士がディスカッションするワークショップとなりました。参加したのは表題の「トリプタンが効かないとき」でした。まとめ役の鈴木教授の他はなぜか脳神経外科の先生たちが多く、活発な討論が交わされました。なかにはご自身片頭痛をおもちのドクターもおられ、いろいろと有益なエピソードも伺うことが出来ました。最後に全体でのディスカッション内容の発表があり、ご指名を受けてプレゼンを行いました。通常の講演会ではなかなか得られない経験で、明日からの頭痛診療に役立ちそうです。

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