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2007.02.19

城東生活習慣病フォーラム

 東京大学佐田政隆助教授を講師に、表記講演会が開かれました(主催;持田製薬)。演題は「EPAを用いた心血管イベント抑制」です。思えば、約20年ほど前、動物実験で脳血管障害の研究をしていた際、EPAを投与して血管内皮細胞の保護効果を確認したことがあり、また最近解析が公表された「JELIS study」にも参加していました。EPA(エイコサペンタエン酸)は単独投与のスタチン剤が33%心血管イベントを低下させるところへ上乗せして使用することによりさらに18%抑制する効果がある(トータルで約45%)と言われており、当院でもよく処方している薬剤です。魚油を原材料としているため内容が液体のカプセルとなり、以前は大変大きいカプセルで患者さんたちに不評でしたが最近はイクラ状の小カプセルがスティックタイプの袋に封入され多少は飲みやすくなりましたが、通常の剤形でないためまだ患者さんたちからは面倒くさがられています。純然たる化学合成ではないため、もっと普及して良い薬剤だと思います。
 上記佐田先生のサイトは面白いです。特に、論文が雑誌に採択・掲載されるまでの裏話などは必見。僕らも昔はあっちでダメ、こっちで待たされ、などと格闘していました。特に同様の研究テーマを進めているレビューアのもとに査読が廻ると露骨に妨害されたことがありました。学問も政治、でした。

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2007.02.15

夜間急病診療所でのインフルエンザ

 先ほど、医師会夜間急病診療所の準夜勤を終えて帰ってきました。
 全体の来院者数は大したことがありませんでしたが、いやー、多かったです、インフルエンザが。もちろん、すべての患者さんに検査をしたわけではありません。発熱してから数時間以内だと本当にインフルエンザでも検査キットで陰性に出るため、「クラスで×人がB型です」とか「先に兄弟がかかっていました」というケースはあっさり検査なしで抗インフルエンザウイルス剤(タミフル)を処方してしまいました。親御さんの中にはタミフルについて報道された「異常行動を起こす」ことを気にしておられる方が多かったのも事実です。インフルエンザ自体が脳症•脳炎を起こす可能性がある病気ですから、「タミフルを飲まなければならない状況のときはいずれにしても要注意」ということですね。
 ちなみに、流行状況を見ると、東京都全体では「注意報」が出ているのですが、23区で評価すると「注意報」なのは江戸川区だけなのです。今日こられた方々のなかで特に集中していたのは篠崎地区でした。どうか、ご用心。

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2007.02.12

爪白癬治療の記録

0702hakusen まずおことわりしておきますが、この記事を読んで当院が皮膚科も出来ると思わないでください。
 約半年前に左の拇趾の爪に白癬(みずむし)ができ、ガチンコの状態になってしまいました。そこで、しばらく前から健康保険でも可能になっていたイトリゾール(抗白癬菌剤)のパルス療法をやってみることにしました。通常、1日2カプセルを長期にわたって服用するところを1日8カプセルずつ、7日間服用を4週間おきに3回行う、という治療方法です。服薬量が多いため、肝機能障害なども起こる可能性がありきちんと検査をしながら治療を行う必要があります。実は、これまですでに、かかりつけの患者さんに頼まれて同様の処方を出したことがありましたが、実際にどんな経過をたどるかはマメに記録ができなかったので、意を決して写真撮影をすることにしました。
 (1)3回目の服薬中、最初は爪の付け根から変色していたのが爪の約半分まで上がってきています。(2)服薬終了約1ヶ月、だいぶ病変部が少なくなってきていますが、周辺の皮膚病変ができ、軟膏を使いました。(3)さらに1ヶ月、あと一歩まで来ましたが、切った爪はまだまだ「縦に割れる」状態でした。(4)そしてさらに1ヶ月、ようやく切った爪も割れなくなり、先端まで普通の爪に回復しました。
 ということは、爪の生え替わりの速度を考えると治療開始から治癒まで約半年が必要だった、ということになります。服薬3ヶ月、生え替わりを待つのに3ヶ月。服薬が終わるともう治った、というわけではないのです。いい勉強になりました。

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2007.02.06

インフルエンザ、ブレイク

 あまりの暖冬ですでに春になってしまったかと思われる天気のため、インフルエンザは流行しないのではないかと思っていましたが、とうとう、当院周辺でもブレイクしました。抗原反応検査で陽性になったのはA型2人、B型1人でしたが、(発熱から検査実施までの時間の関係で)陰性であっても症状や周辺の感染状態から抗インフルエンザウイルス薬を投薬せざるを得なかった人たちが4人ほどおられました。
 もちろん、この他にも高熱のため検査を行った患者さんがいたため、スタッフにはかなり負担を掛けてしまいました。その間には慢性頭痛の新患さんも数人おられ、そちらには十分な問診・所見取りをせねばならず、結果的にインフルエンザの患者さんに検査のために「結果出るまで15分待ってね」と言いながらそれ以上お待たせしてしまったりもしました。このあたり、通常の診療と専門領域の診療を一緒に行っている弊害かもしれません。しかし、分離すればいいというわけでもなく、今後の課題です。

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2007.02.03

節分

0701koi 暖冬で日中はかなり暖かい日が続き、インフルエンザもさほど流行せず、穏やかな毎日です。ここまで雪が降らないと夏の水不足も心配されるところです。
 さて、庭の池もだいぶ水温が上がり、鯉たちの動きも良くなってきました。エサの食いも良くなり、楽しみが増えました。年末に4匹も石和からの新人たちが加入し、とても賑やかになっています。とはいえ、1月中には寒い中浄化槽からの循環ポンプ・ホースや送気パイプも交換したりで結構肉体労働を提供しております。また一年、元気で泳いでいてほしいものです。

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吉野内科・神経内科医院ご開業

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療における日本の第一人者で、2004年まで国立精神・神経センター国府台病院神経内科で活躍しておられた吉野英先生が、市川市国府台(最寄り駅は北総線矢切駅)で「吉野内科・神経内科医院」をご開業されました。おめでとうございます。
 国府台病院ご在職中には江戸川区の患者さんたちも大変お世話になっており、徳州会へご異動された際には何人かの患者さんをご紹介いただいたりもしました。ご開業にあたっては往診にも対応され、さらに、国府台病院での診療も限られた時間ながらも再開されるようで、周辺の患者さんたちにとっては願ってもない朗報だと思います。今後のご活躍をお祈りいたします。

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