学会・研究会報告
第19回日本脳循環代謝学会総会(25〜26日:盛岡)
前日の評議員会にはきっちり出席したものの、スケジュールの都合で学会そのものの参加は25日午前のみとなってしまいました。ここでは、日本医科大学の附属病院(千駄木)と北総病院(印旛)両者のSCUからt-PAの使用成績発表がありました。また、脳卒中急性期の治療方針決定の指針として「diffusion-perfusionミスマッチ」の画像化が重要な役割を担うため、最新の3テスラのMRI・旧来の1.5テスラMRI双方を用いた研究も発表されていました。今回から、本学会総会への参加で日本脳卒中学会の専門医クレジットが取得できるようになりました。これは大変な朗報です。
第3回神経・筋疾患に関するボツリヌス療法懇話会(27日:東京ステーションコンファレンス)
眼瞼痙攣などの治療に用いられる「ボトックス」に関する研究会です。特に興味があったのが、名古屋の寺本純先生の「緊張型頭痛と頭頚部ジストニー」という発表で、午前の診療(遅くまでかかってしまいましたが)を終えるやいなや診療室を飛び出してなんとか間に合いました。緊張型頭痛の中には「頚や肩の筋肉に若干なりとも左右差のある」症例があり、そうした症例は実は国際頭痛学会分類では緊張型頭痛と異なる「頭頚部ジストニーによる頭痛」と考えられ、ボトックス治療が有用である、とのことでした。確かに、当院の緊張型頭痛の患者さんの中には一月ごとに局麻剤のトリガーポイント注射を受けておられる方があり、立派に左右差もあることから、こうした症例にボトックスを使用すれば頭痛のない期間を遥かに延長できるのかもしれません。
耳慣れない「痙攣性発声障害(Spasmodic dysphonia: SD)」についての帝京大学・小林先生のご講演も筋電図をつけた注射器で前頚部から声帯そのものにボトックスを注入するという治療法も含め大変勉強になりました。
第11回東部脳神経外科フォーラム(27日:東武ホテルレバント)
脳卒中の急性期受け入れなどで都東部の脳外科の病院にはいつもお世話になっているため、今回も参加させていただきました。脳卒中に関する演題はなかったものの、眼窩吹き抜け骨折に関する日本大学松戸歯学部脳神経外科・前田先生のご演題やガンマナイフに関する日本の第一人者・平井達夫先生の特別講演は大変興味深く拝聴してきました。
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