第35回日本頭痛学会総会
東海大学神経内科教授(八王子病院院長)・北川泰久先生を会長に、都市センターホテルで本日・明日と開催されます。
一般演題では、めまいを伴う頭痛(片頭痛ではめまいが普通の人より3倍起きやすい)に関する2題の発表と片頭痛の併存症としてのアレルギー疾患(気管枝喘息・アレルギー性鼻炎)が話題となったことがトピックでしょうか。若い頃から片頭痛のあった方々も高齢になるといつの間にか頭痛が遠ざかるのは周知のことですが、これが動脈硬化の始まりが原因らしいことも発表されました。
また、最近の頭痛学会と異なり、片頭痛ではなく緊張型頭痛(TTH:tension type headache)がメインテーマとされ、会長講演や招待講演がTTHに関するものとなりました。興味深かったのは、招待講演で片頭痛にTTHが混合し、変容性頭痛となった場合はTTHでもトリプタン剤が奏功することがある、というお話でした。確かに当院の患者さんたちでも同様の傾向があり、「なるほど」とうなづきました。
ランチョンセミナーでは間中先生と獨協・平田教授の「片頭痛の共存症」というレクチャーがあり、片頭痛の頻度を押さえるには共存症をうまく治療していくことが鍵になる、例えば片頭痛で血圧が上がり始めた患者さんたちには「ARB」と呼ばれるタイプの降圧剤を予防薬として使用する、などすでに当院でも実施中のことも含め、明日からの診療に役立つ知識が披露されました。
シンポジウムでは、「片頭痛の治療update」として(1)トリプタン乱用頭痛、(2)小児の片頭痛、(3)新しい予防薬、(4)今後の新たな急性期片頭痛治療薬についての発表がなされました。この中で目新しいのが「西洋フキ」について五十嵐先生(神奈川歯科)から言及されたことです(間中先生のセミナーでも触れられていました:片頭痛予防作用と抗アレルギー作用が期待されているサプリメント)。早速展示コーナーへ行き、資料を届けるようメーカーさんへ依頼してきました。そういえば、メインテーマがTTHだったためか、片頭痛薬メーカーの展示がおとなしかったようです。
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