インフルエンザと抗ウィルス薬による異常行動
本日は患者数が多く、診療後のカルテ処理に真夜中まで時間がかかってしまいました。インフルエンザの患者さんは数名、感染性胃腸炎(ノロを含めたウィルス性胃腸炎は今後この呼び名に統一されるそうです)が多く、嘔吐・下痢に苦しんでおられました。
先ほど、朝日新聞と東京新聞のサイトで厚生労働省のインフルエンザに対するタミフルの異常行動に関する因果関係についての発表を読みました。
個人的な印象を言わせていただけば、必要な人がいる有用性がある薬剤を失わずにすんだことは良かったと言うべきでしょう。インフルエンザはワクチンで防ぐのが基本である(さすがにワクチン接種に公的扶助のある高齢者のインフルエンザ罹患はこの数年非常に少なくなっています)こと、また抵抗力のある世代は、昔通り「カゼは寝て治せ」と言うことだと思います。無理して抗ウィルス薬でほんの1〜2日治癒を早め、リスクを背負い込むのはやめるべきでしょう。無論、検査・投薬とも患者さんやご家族の希望があればきちんと行っていますが。
今シーズンは意識的に10代のインフルエンザ検査は積極的には勧めないようにしています。逆に、放っておくと薬を飲みつつ熱があっても公共交通機関で出勤してしまう30〜50代の人たちにはきちんと検査を行い、出勤を止めさせております。投薬は本人の意思を確認してから、と致しました。だから診察に時間がかかってしまいます、嗚呼。
「すこしぐらいの熱が出ても登校すること」などと入学式で教頭が訓辞を述べる高校があることを見聞しました。「熱をおして出勤」が美徳とされる組織。どちらもとんでもない話です。こういった学校・組織を根絶やしにしないと日本の公衆衛生は進歩しないでしょうね。
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