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2009.07.05

大規模研究会2題

 昨日、本日と薬剤メーカー主催の大規模研究会が開催されました。
 4日:Fighting vascular events in Tokyo 2009(プリンスパークタワー、主催:大塚製薬)この会は脳梗塞後遺症の患者さんに再発予防の目的で投与される「プレタール」の販促のための講演会です。今回のメインは米国から招かれたCaplan先生の教育講演なのですが、実の目玉は浜松医科大学の梅村教授による「人種による遺伝子多型の違い」と題するご講演でした。抗血小板剤にはプレタールの他に「プラビックス」があり、こちらも大変ポピュラーな薬剤なのですが、欧米人ではさほど問題がないものの、日本人では代謝酵素の問題で実に18〜23%も「投与しても効かない例がある」ことが明らかにされていました。確かに、抗血小板剤はアザが出来る、歯肉から出血するなどの出血性合併症があれば「この症例には不適当」と中止することがあるものの、「効いているか否か」を判定する検査方法がなく、何年も使用して脳梗塞再発が生じなければ初めて「効果があった」と言うことが出来るわけで、こうした「不適応」と言うケースがあることは今後の課題です。
 5日:デメンシアコングレスJapan 2009(グランドプリンス高輪、主催:エーザイ・ファイザー)同様に、こちらは認知症に用いられる「アリセプト」のイベントです。教育講演をなさるのが同じ日本医科大学の北村伸准教授でした。一時体調を崩されていたと聞き及んでいたため、お元気な姿を拝見できホッとしました。こちらの注目は「認知症患者さんにおける運転免許の取扱い」を熊本大学の池田教授が老年精神医学会専門医に課したアンケートの結果などを基にしたレクチャーでした。現在でもすでに認知症をお持ちのドライバーが高速道路を逆走したりという事例が報道されます。アルツハイマー病の場合は「行き先がわからなくなりパニックを起こし運転操作を誤る」ことが多いのに対し、前頭側頭葉型認知症(ピック病など)の場合は常識では無理とわかるような危険運転をしてしまうことが多い、などの事例紹介や、新しく始まった運転免許更新時の病状申告書も記入するのが本人であるためれっきとした認知症患者さんは病識がなく大抵は「なし」と書き込んでしまい結局は適性検査などのチェックがなされていないことなどが報告されました。さらに、免許を返納した高齢者の方々の(職業も含む)生活をどうサポートするかも今後の問題、とまとめられ、実際にそうした患者さんたちと直面している我々に警鐘を鳴らされました。
 どちらも1,000人規模で、全国から参加者を集めており、メーカーの力の入れ具合いがわかります。こうした会は通例の学会出席でも見逃してしまっていた重要な発表をじっくり聞くことが出来るため大変助かります。

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