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2010.02.28

頭痛フォーラム2010

 本日、グランドプリンスホテル新高輪にてエーザイ(株)主催・頭痛学会後援にて表記研究会が催されました。折からすぐ側の第一京浜を東京マラソンが通るため、少し早めに出かけて前方の席を陣取って聴講してきました。
 冒頭の頭痛学会坂井理事長の講演では頭痛専門医を広告可能にするためのヒアリングにて厚生労働省から「頭痛が症状名であり病名ではないのではないか」という指摘が、また専門医機構からは「めまいなどに続き症候別に専門医ができたらたまらない」と言われた、と頭痛に対する認知度の低さを嘆いておられました。2005年の京都における国際頭痛学会での「頭痛に関する京都合意書」が世間で浸透していないのが困りものです。
 講演の圧巻は慶應義塾大学神経内科鈴木教授が産業医検診時に行った4,000人近くのアンケート調査による「都市在住成人の頭痛に関する疫学調査」でした。頭痛が起こって仕事に影響が出なかった片頭痛患者さんはたった7%しかいなかった(緊張型頭痛などは除外)にもかかわらず、その片頭痛患者さんのうち60%近くがまだ医療機関を受診していない、という結果は非常にショッキングでした。
 だから、頭痛専門医は早々に広告可能とならなければならない、とも言えます。
 その他、午前10時〜午後3時30分までという長丁場でしたが退屈になることもなくたいへん有意義な1日でした。

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糖尿病 Expert Meeting in Jyoto

 2月22日、浅草ビューホテルにて標記研究会が開かれました。主催のノバルティスファーマからは新世代2型糖尿病経口治療薬DPP4阻害剤として市場第二番目となる「ビルダグリプチン」が 発売予定であり、そのプロモーションでもあります。ちなみに、「Jyoto」の表示は「Joto」とすべきだと思います。大変に違和感を覚えます。
 厚生労働省への認可条件からは併用薬剤がSU剤に限られており〔先発のシダグリプチンはもう少し幅広い〉、できれば第一選択として推奨されています。糖尿病治療ガイドライン上の経口糖尿病薬の第一選択はすでにSU剤ではなくなっており、またより安価なBG製剤が第一選択となっていることを考えると、薬品価格の点から考えるとちょっと投与順序の選択が気になるところでもあります。
 インスリン分泌を促しつつグルカゴンを抑制するというメカニズム的にはインスリン強化療法導入に成功した症例の「次のステップ」としてのインスリン脱却にも使いたいものです。実は、この件につき以前行われたシダグリプチンの研究会の時に質問したことがあるのですが、その可能性についてあっさり否定されてしまいました。今回同様に質問してみたところ、「完全に置き換えられるほどの作用はないと思うが、期待は持てるので今後の治験次第である』とのお答えをいただくことができました。幅広い応用が効くようになれば頼もしい存在になると思います。

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2010.02.23

4月から江戸川区でもHibワクチンの公費補助が始まります

 髄膜炎の原因の50%を占めるHib(ヒブ:インフルエンザ菌b型)感染予防のワクチン、「Hibワクチン」はこれまで自己負担での接種でしたが、本年4月から江戸川区の公費補助が始まる旨の通達がありました。接種費用8,000円のうち4,000円が補助されます。残念ながらすでに接種を受けられた方々への過去にさかのぼっての補助はないようです。
 生後2ヶ月から5歳の誕生日前日までの乳幼児が対象で、区内の指定医療機関で接種を受けることができます。接種希望者は健康サポートセンターに申請し、接種票を持参して接種を受け、自己負担分の4,000円を支払います。詳細は「広報えどがわ」4月1日号、または江戸川区ホームページ(たぶん4月1日以降)をご覧ください。

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2010.02.22

3月の臨時休診について

 3月19日(金)・23日(火)の診療は都合により休診とさせていただきます。また、第二土曜定休を20日の第三土曜に振り替えます。21日・22日が春分の日となっているため、19日(金)より24日(水)まで連休となります。
 2ヶ月続きの臨時休診でご来院の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご了承ください。

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2010.02.21

第5回CGA循環器研究会

 2月20日(土)ホテルヴィラフォンテーヌ汐留で開催された標記研究会に参加しました。「高齢者の睡眠障害」遠藤拓郎先生(スリープクリニック調布)、「鼻の睡眠障害」宮崎総一郎先生(滋賀医科大学睡眠学講座)、「フィールド医学と睡眠」大塚邦明先生(東京女子医科大学東医療センター)など盛りだくさんの演題でした。
 遠藤先生の演題での「行動計」「光療法」などによる不眠症の診断・治療は今までにない切り口であり、依存・副作用の懸念がある薬物療法に一石を投じるものと考えられます。行動計については早速註文してテストしてみようと思います。
 また、宮崎先生の鼻閉→不眠のメカニズムについては日頃から注目していたポイントであり、片頭痛の患者さんに「予防薬」として抗アレルギー剤をお出ししている一つの裏付けとなるものと考えました。この件をお尋ねしてみたところ、「ひとつ前の研究会で片頭痛と睡眠時無呼吸症候群の関連についての話を聞いてきたばかりです」とのこと。そうした取り組みもどんどん進めてゆきたいと思いました。

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N型Ca-channel研究会

 2月19日(金)に錦糸町・東武ホテルレバントで開催された標記研究会に参加しました。講師は埼玉医科大学腎臓内科の鈴木洋通教授で、演題は「ARB時代におけるCa拮抗剤の選択」でした。
 実地に即した治療法の選択など非常にわかりやすいお話でしたが、「現在の70〜80歳代の人たちが40歳代だった頃は血圧が未治療の人たちが多かった」のに比べると「今の50歳代の人たちは40歳代頃から血圧が下がっているため、今後高齢化しても現在の70〜80歳代の人たちほど脳血管障害をおこしにくくなる」というお話は「確かにそうだな」とうなずかせられました。これによって今後の人口構成がさらに老齢者(つまり僕たちの世代が混じる)が若年者に近づき、さらに追い越すという将来がちょっと恐ろしく感じられました。

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2010.02.10

2月の臨時休診について

 2月12日(金)の診療は都合により休診とさせていただきます。11日(木)は建国記念日、13日(土)が第二土曜で定例休診日のため、10日(水)より14日(日)まで連休となります。
 間際の発表になってしまったことをお詫びいたします。どうぞご了承ください。

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2010.02.04

インフルエンザの動向、そして感染性胃腸炎と花粉症の増加

 新型インフルエンザの発症が当院周辺では一段落しています。すべての小中学生が感染したりワクチンが済んだというわけでもないのですが、ほっと一息というところです。葛西方面で再び増加傾向にある、との定点観測報告があるので油断はできません。1月19日に突然「すべての人々」に解禁された新型インフルエンザワクチン接種ですが、情けないことにその頃から接種希望で来院する数が減ってしまいました。こうした接種に対する要求は感染の恐れが減ると下火になるのは人情で仕方ないかもしれませんが、まだ抗体がすべての人たちに行き渡ったわけでもなく、まだ感染していない、もしくはワクチン未接種の方々は是非お受けになるべきと思います。当院での在庫は国産ワクチンのみで、予約なしでの接種が可能です。
 ここ2週間はアレルギー性鼻炎(多分スギ花粉症)と12月下旬から出始めていた感染性胃腸炎が結構多くなっています。花粉症の人たちは鼻症状はさほど感じておらず「ノドをやられた」と言って来院されることが多いのが現在の特徴です。また、感染性胃腸炎は重症な方、軽傷な方にわかれており、すべてが(よく言われるような)ノロウイルス由来と断定することは難しいと考えています。
 新聞やTVは他の騒ぎの方で忙しく、こうした方面の情報が途絶えている傾向があります。くれぐれもご用心ください。

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2010.02.03

弘兼憲史先生からのメッセージ

 1月31日に開催された「ファイザー メンタルシンポジウム2010」に参加しました。ファイザーは「ジェイゾロフト」というSSRI(セロトニン作働性の抗うつ薬)を発売しており、そのプロモーションでもあるのですが、メインイベントとして週刊モーニングで「島耕作」シリーズを連載しておられる漫画家の弘兼憲史先生が対談をされました。司会役の精神科のドクターにのっけから「精神科のドクターはうつ病の患者さんをどうするか、というテーマに『絶対に頑張らせない』と言う人もいれば『励まして頑張らせることも必要』と言う人もいるのは何故ですか?」と先制パンチ。会場からの質問に答えながら「島耕作がモテモテと言われますが、実は主人公自体からは一度も女性に声をかけたことはないのです。そうさせるとセクハラになってしまうこともあるので」と内輪話を交えながら楽しい対談でした。
 最後にいくつか現場の医師へのメッセージがあり、最近うまくいかないことを自己責任ではなく社会のせいにしてゲームのリセットをはかるようにしてしまう人たちが多く、医師はその人たちの訴えを聞くだけではなく『人生を読む』対応をして欲しい、とのことでした。(漫画も含めた)読書すらしない人々が増え、かつては人の人生の大変さを読書で学ぶことができたのにそれがおぼつかなくなったこと、また昔は仲間同士でケンカをして痛めつけること・痛めつけられることの経験ができ、それが人と争う時の手加減を覚えることにつながったのに現代はそうした経験がないことがいろいろな問題を引き起こしている、と指摘されました。本当にその通りだと思います。
 個人的には弘兼作品の中では「ハロー張りネズミ」や「LAST NEWS」が好きですが、現在も週刊モーニングは毎週待合室用に調達しており、社長となった島耕作の今後を楽しみにしています。

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