弘兼憲史先生からのメッセージ
1月31日に開催された「ファイザー メンタルシンポジウム2010」に参加しました。ファイザーは「ジェイゾロフト」というSSRI(セロトニン作働性の抗うつ薬)を発売しており、そのプロモーションでもあるのですが、メインイベントとして週刊モーニングで「島耕作」シリーズを連載しておられる漫画家の弘兼憲史先生が対談をされました。司会役の精神科のドクターにのっけから「精神科のドクターはうつ病の患者さんをどうするか、というテーマに『絶対に頑張らせない』と言う人もいれば『励まして頑張らせることも必要』と言う人もいるのは何故ですか?」と先制パンチ。会場からの質問に答えながら「島耕作がモテモテと言われますが、実は主人公自体からは一度も女性に声をかけたことはないのです。そうさせるとセクハラになってしまうこともあるので」と内輪話を交えながら楽しい対談でした。
最後にいくつか現場の医師へのメッセージがあり、最近うまくいかないことを自己責任ではなく社会のせいにしてゲームのリセットをはかるようにしてしまう人たちが多く、医師はその人たちの訴えを聞くだけではなく『人生を読む』対応をして欲しい、とのことでした。(漫画も含めた)読書すらしない人々が増え、かつては人の人生の大変さを読書で学ぶことができたのにそれがおぼつかなくなったこと、また昔は仲間同士でケンカをして痛めつけること・痛めつけられることの経験ができ、それが人と争う時の手加減を覚えることにつながったのに現代はそうした経験がないことがいろいろな問題を引き起こしている、と指摘されました。本当にその通りだと思います。
個人的には弘兼作品の中では「ハロー張りネズミ」や「LAST NEWS」が好きですが、現在も週刊モーニングは毎週待合室用に調達しており、社長となった島耕作の今後を楽しみにしています。
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