第15回城東神経内科懇話会
本日、錦糸町の東武ホテルレバントにて、ファイザー・キッセイ薬品との共催により標記研究会が開催されました。かつてはマニアックな症例検討が中心の会でしたが、今回は順天堂江東高齢者医療センター糖尿病・内分泌内科小沼(おぬま)富男教授をお招きして「脳卒中の発症予防:糖尿病、脂質異常症の管理から」というご講演をいただきました。
膨大なデータからいろいろなお話をご紹介いただきましたが、いくつかのポイントを書き出してみました。1)久山町研究では血管性認知症は高血圧・糖尿病との関連があったが、アルツハイマー病と関連が見られたのは糖尿病のみだった。2)糖尿病患者のLDLは主としてsmall dense LDLでありコントロールが不良なほど酸化しやすくなっており、よりLDL値を下げる必要がある。3)糖尿病における中性脂肪(TG)は動脈硬化のリスクでもあり、高TG・低HDL・高RLPはインスリン抵抗性との関連が深い。4)糖尿病のTGは食前値が150以下であっても食後4時間値で200を超える場合は頸動脈の内膜肥厚が生じている(=動脈硬化が進んでいる)可能性が高い。5)メタボリックシンドロームを伴う高脂血症のうち高TG血症の症例にはフィブラート製剤が第一選択で、これのみでも血糖低下作用がある。
いずれのキーワードも、明日からの臨床にすぐ役立つものであり非常に有意義な講演でした。
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