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2011.05.24

レミニール新発売記念講演会

 今期、3種の認知症治療薬が新発売されます。ガランタミン(商品名レミニール)は、その中で最初に市販に至った薬剤です。これまで唯一の治療薬だったドネペジル(アリセプト)と同種のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有し、諸外国での使用でも有用性が確認されていたにもかかわらずなかなか認可が下りず、桝添厚生労働大臣時代に陳情が各種団体からなされ、認可への動きとなった、と聞き及んでいます。さて、今回の演者は繁田雅弘先生と岩田誠先生という認知症・神経内科の重鎮が揃いました。
 まず、繁田先生のご講演は「アルツハイマー病:実践から学んだ診療のヒント」。いくつかの重要なフレーズを挙げてみます。1)認知テストが終わったら(大抵被験者はガッカリしてしまうので)患者さんの元気だった頃の自慢話をさせて気分をかえてあげること、2)ある調査ではDVを受けている認知症患者の報告者にほとんど医師がいない(医師から報告が上がらない)、3)介護者が介護サービスを受けることを躊躇する例は治療がうまくいかない、4)治療を行っている時漫然と「良くなったか」と聞かず、具体的なポイントをいくつか例示して尋ねておくとその次の受診時に介護者が気づいて報告してくれることが多い、....などなど。
 また、岩田先生のご講演はでは、1)「認知症」という呼び名は本来適切でない、台湾で「失智症」と呼ばれている方がよりシックリ来るが自分で国内講演を医師向けに行う時は「デメンチア」と呼ばせてもらっている、2)デメンチアの原因の中には投薬に依るものも多くSSRIによる低ナトリウム血症もそのひとつである、3)忘れたことを覚えている患者はデメンチアである可能性は低く本当のデメンチアは家族が気づいていても本人は「そんなことはない」と主張するのが常である、4)周辺症状と医師がいうものはほんとうに害がある症状なのか:「些細なことで怒り出す」という家族には、「そのことは本当に本人にとって些細なことなのか」、大声でどなるデメンチア患者はひょっとすると難聴があるためではないのか、デメンチア患者が同じことを何度も聞き返すのは「聞いただけでは後で確認が取れないから」であり、きちんと文字に書いて渡すなどの努力を怠っているのではないか、デメンチア患者の「暴力」は介護者側の抑制に対抗する手段なのではないか、不潔行為も「どうしてそのようなことをしたのか」を患者さん側に立ってポジティブに考えてあげる必要がある、5)DLBやPDDでドネペジルを用いてもパーキンソン症状を出した経験はないが、体幹ジストニア(Pisa症候群)は出現することがある、6)先般の大震災においてデメンチアの重い人は平然としており、軽い人ほど動揺し恐怖を感じていた、7)デメンチア患者を診る時には「以前はどういう生活をしていたのか」をきちんと調べておく必要がある.....などでした。
 お二人の言葉からは、患者さんとご家族に対する深い愛情と暖かい思いやりがひしひしと感じられ、非常に有意義なひとときでした。

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