江戸川区医師会綜合臨床研究会
標記研究会は小生が当番座長でした。年に1回神経疾患を題材にさせていただくことが出来ます。本年度は日本医科大学内科(神経・腎臓・リウマチ膠原病部門)准教授:山崎峰雄医局長をお招きして認知症につきご講演いただきました。講演は新規抗認知症薬「イクセロンパッチ」のノバルティスファーマ(株)です。
初っぱなに「日本ほど抗コリンエステラーゼ剤のどれがよいかと真剣に議論される国はないのではないか」とバッサリ。これまで認知症治療に大きな成果を上げたドネペジル(アリセプト)があり、昨年登場したガランタミン(レミニール)とリバスチグミン(イクセロンパッチとリバスタッチ)が加わり、薬効の違うメマンチン(メマリー)は別として、「長期処方が出来るようになったらどれを使えばいいんだ」という疑問を持つドクターばかりという状況になっているのですが、それぞれの薬剤には微妙に違うこせいがあり、かつ患者さん一人一人への相性があることも事実。それを理解した上での一言と感じました。切替の時もいきなり大容量にすることなく(少しは漸増してゆく感覚は縮めても)中等量を試しながら行くべき、という方法論も納得できるものでした。
2月6日の会ですでに東大岩田先生も話されたAβワクチンなどの先進薬剤の話も出ましたが、「認知症は症状が始まってからでは根本治療は難しく、外国ですでに始まっている「発症予備軍」を対象にした臨床試験の話題提供もご紹介され、本当に面白い(ためになる)講演でした。
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