3月の臨時休診のお知らせ
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本日江戸川区医師会講堂において、会員・医療従事者向けトリアージ講習会が開催されました。演者は日本医科大学高度救急救命センターの布施明准教授で、ご講演は「医療従事者のためのトリアージの実践と首都直下における医療活動」という演題でした。まず、「START」トリアージ法についての詳細な解説がありました。1)歩行可能か、2)呼吸の有無(気道確保で呼吸が出現するか)、3)呼吸数(10〜29回/分以内か)、4)毛細血管再充満時間(CRT:capillary refill time)が2秒以内か(爪を白くなるまで5秒間圧迫する)、5)従命反応で意識を確かめる、などがチェックリストで、このうち気道確保しても呼吸が出現しなければ黒タグとなります。ただし、この「黒タグ」には微妙な運用の違いがあり、秋葉原事件の時にはこの状態であっても赤タグで救急搬送がなされ、福知山線の事故の際にはそうでなかったとのことでした。事故の規模、周辺の状況で流動的に運用されるそうですが、首都直下型大震災でトリアージがなされる時にはもちろん後者となるのでしょう。大人数が集まってしまった場合のトリアージ方法についても言及されました。大災害時のトリアージの概念は、「軽傷、救命の見込みがない重症患者に優先を与えない」ことにあり、一旦トリアージを始めたら毅然と対応すべきだ、というお話でした。
このほか、災害現場における体系的な対応方法(CSCATTT)についてもご説明がありました。指揮系統(C)、安全(S)、情報伝達(C)、評価(A)、トリアージ(T)、治療(T)、搬送(T)をきちんと定めておくことの重要性が強調されました(成書)。
講演後も多数の質問があり、それらにひとつひとつ丁寧なご返答をいただきました。もちろん、トリアージをしなくて済む間に医師人生を終えられればそれでよいのですが、災害はいつどんな形でおこるかわかりません。これからもいろいろな形でトレーニングを積む必要を痛感しました。
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