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2013.03.29

AD Frontier in 城東

1303ad 浅草ビューホテルにおいて表記研究会がノバルティスファーマの主催により開催されました。講師は順天堂の田平教授、香川大学の中村教授という豪華な組み合わせでした。田平先生は大変複雑な要素を含む診断に苦慮しそうな症例をFDG-PETなどの画像も含めてご紹介くださいました。かなり高度な内容で「そこまで厳密に診断しなければ認知症専門とは言えないのか」とちょっと自信喪失気味になってしまいました。
 中村先生はリバスチグミン(商品名イクセロンパッチ[ノバルティス]、リバスタッチ[小野製薬])にも開発初期から関わっておられたことからこれまであまり語られなかった事柄までいくつもご紹介くださいました。それらを列挙すると、1)貼付薬であるリバスチグミンが治験段階で18mgではプラセボとADL障害改善で有意差がついたのに9mgで有意差がつかなかったのはプラセボも貼付薬であったため『スキンシップ効果』が出て予想外に障害が現れなかったから、2)リバスチグミンが有する二つの抗コリンエステラーゼ作用のうちブチルコリンエステラーゼに対する効果は主としてグリアの変性を抑制してくれるためである、3)リバスチグミンで貼付部位周辺の皮膚が赤くなるのはかぶれが原因でなく血管拡張作用のためである、4)リバスチグミンは体重依存性の効果発現があるので体重の少ない患者さんの投与量を決める時は慎重になること、5)これまでリバスチグミンの皮膚症錠抑制のために保湿剤を進めてきたが取扱いが面倒だった、しかしパッチ貼付前に『フルメタローション』を薄く塗っておけばより簡便に皮膚保護が出来る、6)食欲が落ちてきたような症例に使うと結構持ち直すことがある、などでした。
 昨日に続いての認知症講演会でしたが、昨日とは全く違った面の知識吸収が出来ました。また、中村先生と座長をお勤めいただいた三井記念病院の中嶋先生は(僕も含めて)スウェーデン生活の経験があり、「今日からポスク(イースター)ですね」と話が弾みました。中村先生は話題ごとにスウェーデンの風景のスライドを挟んで下さり、懐かしさがこみ上げました。

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