ゴールデンウイーク中の休診について
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浅草ビューホテルにおいて表記研究会がノバルティスファーマの主催により開催されました。講師は順天堂の田平教授、香川大学の中村教授という豪華な組み合わせでした。田平先生は大変複雑な要素を含む診断に苦慮しそうな症例をFDG-PETなどの画像も含めてご紹介くださいました。かなり高度な内容で「そこまで厳密に診断しなければ認知症専門とは言えないのか」とちょっと自信喪失気味になってしまいました。
中村先生はリバスチグミン(商品名イクセロンパッチ[ノバルティス]、リバスタッチ[小野製薬])にも開発初期から関わっておられたことからこれまであまり語られなかった事柄までいくつもご紹介くださいました。それらを列挙すると、1)貼付薬であるリバスチグミンが治験段階で18mgではプラセボとADL障害改善で有意差がついたのに9mgで有意差がつかなかったのはプラセボも貼付薬であったため『スキンシップ効果』が出て予想外に障害が現れなかったから、2)リバスチグミンが有する二つの抗コリンエステラーゼ作用のうちブチルコリンエステラーゼに対する効果は主としてグリアの変性を抑制してくれるためである、3)リバスチグミンで貼付部位周辺の皮膚が赤くなるのはかぶれが原因でなく血管拡張作用のためである、4)リバスチグミンは体重依存性の効果発現があるので体重の少ない患者さんの投与量を決める時は慎重になること、5)これまでリバスチグミンの皮膚症錠抑制のために保湿剤を進めてきたが取扱いが面倒だった、しかしパッチ貼付前に『フルメタローション』を薄く塗っておけばより簡便に皮膚保護が出来る、6)食欲が落ちてきたような症例に使うと結構持ち直すことがある、などでした。
昨日に続いての認知症講演会でしたが、昨日とは全く違った面の知識吸収が出来ました。また、中村先生と座長をお勤めいただいた三井記念病院の中嶋先生は(僕も含めて)スウェーデン生活の経験があり、「今日からポスク(イースター)ですね」と話が弾みました。中村先生は話題ごとにスウェーデンの風景のスライドを挟んで下さり、懐かしさがこみ上げました。
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3月28日、江東イースト21にて表記研究会が武田製薬の後援により開催されました。メインスピーカーは筑波大学脳神経内科の玉岡晃教授でした。アルツハイマー型認知症の診断につき、最新の(研究的)分類を含めてご講演いただきました。アルツハイマー型認知症の成り立ちについてのAβ仮説、タウ仮説があること、さらにAβにおける病勢進行メカニズムのウチに複数のステップがあり、ドネペジル(アリセプト)・ガランタミン(レミニール)・リバスチグミン(イクセロン、リバスタッチ)などのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は一番下流(神経細胞死→認知症)に作用するのに対し、メマンチン(メマリー)はdisease modifing drugとして中流(神経細胞保護・タウリン酸化抑制)に作動すること、さらに抗認知症薬とは認められてはいないもののポリフェノール、クルクミン、メラトニン、銀杏葉抽出物などは同様な神経細胞保護とさらにその上流(Aβ凝集抑制)に作動することが丁寧に説明されました。また、DHA による脳内抗酸化増強作用、Aβの脳内沈着への抑制・消失作用、さらには、神経再生促進作用等のご紹介もありました。
また、最新の分類では認知症として発病する10年以上前からアルツハイマー病は変化を生じている点も指摘され、「いやー、僕ももう始まっているかな?」という気にさせられてしまいました。抗認知症薬はともかくとして、カレー(クルクミン)とワイン(ポリフェノール)のほか、ロトリガ(DHAの補給)をせっせと摂取して不眠時にはロゼレム(メラトニン類似物質)を飲んでおいた方が良いか、などと考え込んでしまいました。いずれにしても認知症は早期診断が今後さらに重要になってきていることを痛感したご講演でした。
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東京女子医大頭痛外来の清水俊彦先生が監修された「子どもの頭痛」という記事が掲載されています。書店での販売も始まり、院内で閲覧できるようにいたしました。ご来院の際には、どうぞご覧下さい。
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3月20日より23日まで日本医科大学付属病院神経内科片山泰朗教授を会長に日本脳卒中学会総会がグランドプリンスホテル新高輪で開催されました。久しぶりの東京での開催ということもあり(一昨年3月25日のSTROKE2011は東日本大震災の影響で夏に順延され京都での開催となりました)1731演題、5,300名ほどの参加者を迎え盛況のうちに閉会いたしました。内容のレポートは三品先生のブログ(初日、会長招宴、2日目、遠隔診療ロボット、会員懇親会、3日目)に詳しく、そちらをご参照下さい。
こちらでは、片山教授の会長講演についてご報告いたします。「私たちの脳卒中治療研究-基礎と臨床のcrosstalk-」と題された講演は、これまで教室の実験グループでなされてきた基礎研究が実際の脳卒中急性期の臨床にどれほど関わっていたかを示したものです。脳浮腫に関するグリセロール、脳保護に関するエダラボン、FK-506の効果、EPA前投与による脳梗塞軽減・保護効果、骨髄間葉系幹細胞による治療効果などが紹介されました。経時的にすべての業績を見てきた自分たちにとって特に珍しいこともありませんが、こうして改めて会長講演として拝聴すると(特に自分が関わったパートなどは当時のことが)フラッシュバックして感慨ひとしおでした。すべての薬剤が実用化に至っているわけではありませんが、こうした基礎研究の一つ一つが現在の脳梗塞治療の礎となっていることを痛感しました。
振り返ると、平成7年に先代赫彰郎教授の下で第20回脳卒中学会を主催した際(当時医局長でした)、会長講演で「新しい事を話したい」というご意志で「大脳白質病変」について別グループでまとめているのを横目にしながら「なぜこれまでの教室の業績を並べるだけではいけないのか」と当時助教授だった片山先生と語ったのを思い出します。教室を退き北総病院の外来を週1回お手伝いするだけだったにも関わらず、最後のスライドで共同研究者の中に入れていただいたことも大変有り難いことと感じました。
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我が家の庭に1本の桜が4年前に来ました。国立劇場で苗木を販売していた「駿河小町」です。国立劇場前庭で栽培された新品種です。カミさんが国立劇場で毎年踊れるようになって10周年と言うこともあり、記念に購入してきたものです。ところが 昨年までは一度も開花せず、いつになったら咲くのだろうと思っていました。一昨年は台風の折、幹がくにゃりと池に倒れかかり「もうだめか」と諦めかけたこともありました。昨今の陽気で福岡でソメイヨシノの開花が報じられた今日、じっくり見つめてみると蕾らしきものがいくつも発見されました。さて、開花はいつになるでしょう。咲いたら真っ先にこちらでご報告いたします。
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3月1日、北総線で日本医科大学千葉北総病院へ行く途中、クシャミ・鼻水が始まりました。東京から成田に向けてのルートは大昔成田空港第一ターミナルの「空港クリニック」で週2回のバイトをしていた頃から花粉症を発症するいちばんのルートでした。
以後、花粉症の患者さんがどんどん増加し、8日以降は「全体の8割が花粉症」「片頭痛患者さんの9割が花粉症」「血圧・糖尿・高脂血症の患者さんだけは花粉症わずか」というパターンとなってしまいました。片頭痛の患者さんにアレルギー性鼻炎はもともと多く、特にスギ花粉によるアレルギー性鼻炎(花粉症)は症状変化が急激に現れるため片頭痛の増加・悪化影響を及ぼしやすいのです。また、年に一度、花粉症のひどい年だけに片頭痛の薬(トリプタン剤)を取りに来られる患者さんもおられます。お天気と片頭痛のカンケイはひとつ前のスレッドで書きましたが、花粉症との関わりも十分に考える必要があります。
「花粉症と一緒に頭痛が来る」患者さんは一度きちんと頭痛の鑑別を受けてください。この中には片頭痛が高率に見られるだけでなく、副鼻腔炎(蓄膿症)も混じっていることが知られています。今年のスギ花粉の散布量は非常に多いと言われており、どうかご用心ください。
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