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2013.05.24

上下肢拘縮に対するボトックス療法

1305botox 一昨22日、浅草ビューホテルにおいて上下肢拘縮に対するボトックス療法に関するハンズオンセミナーがGSK(グラクソスミスクライン)の主催で開催されました。講師は帝京大学リハビリテーション科の栢森良二教授でした。
 まず、動画を多用した症例呈示が行われ、その後でGSKの社員の方にモデルになっていただき、標的穿刺部位を確認するためのご指導を受けました。前腕部の同定が難しい部分に対しては簡易筋電図を用いた同定方法(希望して自分でやらせてもらいました)もデモしていただきました。長母指屈筋と深指屈筋は深く、橈側・尺側手根屈筋は浅いところにあることが身をもってわかりました。自分が上下肢拘縮に対するボトックスの講習を受けた際は大胸筋などへの施注はマニュアルにありませんでしたが、今回はようやく掲載され、実際に施注部位の確認も出来ました。かなり腱に近く腋下のすぐの場所で、30単位という少なめの注射量でよい、というのも大切なポイントでした。
 その際に使用された簡易筋電図(クラヴィス・ボジェクトニードル)と音声入力波形分析ソフト(Pocket Wave Pad)のリンクもしておきます。

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2013.05.23

ピロリ菌除菌の現状と問題点

1305 本日、江戸川区医師会第22回総合臨床研究会が開催されました。表記演題で講師は東京医科大学内視鏡センターの川合隆教授でした。ヘリコバクターピロリ(以下HP)に対する除菌療法の適応が「内視鏡で確認された胃炎」まで拡大されたことを受けての企画でした。
 のっけから最新の話題。DDW2013での発表では、クラコフ(ポーランド)の上水道129カ所のうち12カ所からHPが検出された、と。日本の高年齢層でのHP保有率の高さは井戸水コミュニティでの感染に由来していたことは既知の事実ですが、現代の西欧社会の上水道でもそうなのかと驚かされました。以下、覚え書きを羅列。1)HPは一度除菌すると再感染はほとんど見られない。2)MALTリンパ腫はHP陽性なら除菌・陰性なら放射線か抗がん剤。3)血小板減少性紫斑病(ITP)に対する除菌での有効率は50-60%だが、これによりステロイド使用の必要性が大幅に低下した。4)早期がんの内視鏡治療後は、がん発症の素地である胃粘膜が残されているため、以前の胃切除手術の時代よりはがん再発率が上がっている。5)びらん性胃炎の所見で全体にむくみが強い時にはHP陽性の可能性が高い。6)過形成ポリープはHP陽性のことが多く、胃底線ポリープは少ない。7)鳥肌胃炎はほぼ100%HP陽性で、未分化がんが多く発見される。8)1992年のAsakaらの発表では40歳以上の80%がHP陽性だったが、その構成は2010年のご自身の研究ではそっくり20年分シフトしておりトータルでの陽性者は減少している。9)CAM耐性菌によって1次除菌の成功率は年を追うごとに低下傾向が見られるが、これは幼少期からのカゼなどに対するCAMの内服投与が原因である。10)2次除菌はCAMの代わりにメトロニダゾールが用いられるが、3次除菌ではシタフロキサシン(グレースビット)を用いている。3次除菌は専門機関で。11)ペプシノーゲンを用いたABC検診は非常に有用だが、すでに除菌療法を受けてしまった人では判定困難であり、きちんと事前の問診が必要。12)除菌を行った後の判定には尿素呼気法が適している。血液による抗体検査は陰性化するのに時間がかかり不適。
 以上、いろいろなポイントで「眼からウロコが落ちる」ご講演でした。

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診療スケジュールを変更いたします

1306 当院では、これまで金曜午前を大学病院(日本医科大学千葉北総病院)での外来診療のため休診としておりました。今般、本年6月よりその業務から離れることとなり、当院の診療スケジュールを変更させていただくこととなりました。かわりに、諸般の事情により火曜午後の診療をお休みさせていただきます。
 ご来院の皆様には多大なご迷惑をおかけすることになりますが、どうぞご注意の上ご来院下さいますようお願い致します。

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