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2013.09.22

熊田さん著「胃ろうとシュークリーム」

1309 昨日、ロハスメディカル刊「胃ろうとシュークリーム」の出版記念パーティーがあり、参加してきました。著者熊田梨恵さんは前著「救児の人々」でもまじめで丹念な取材をなさることがわかっておりましたが、本著でも同様の姿勢が貫かれ大変現代の医療が抱える「胃瘻」について掘り下げていただくことが出来ました。
 自分が担当している特別養護老人ホームでも胃瘻(お腹の表面に胃と通じる樹脂製の蓋付き部品を取り付け栄養を入れるチューブを入れやすくする)や経管栄養(鼻から胃まで栄養を入れるチューブを入れる)の入ったお年寄りが何人も居られます。大抵の方々は脳卒中や肺炎が悪化した時にものを飲み込むことが出来なくなりやむを得ずこうした治療方法を選択された方々ですが、なかにはご入居中に自分で食事を摂ろうとしなくなり介護スタッフが食べさせてあげても飲み込めなくなった、と言うケースからご家族の強い希望で導入された方々もおられます。この治療法が選択されていればご本人の意志と関係なく栄養供給が確保され、寝たきりのままでも命を長らえることが出来ます。しかし、現在「胃瘻は良くない」という議論が副作用の面ばかり強調されていることに本書は警鐘を鳴らすものです。
 急性期病院で患者さんの入院期間を減らす目的で導入されてしまうことやご本人の年金受給を途絶えさせたくないが為に導入される例などが紹介され、この治療の選択にご本人の意志が反映されがたい点や在宅・施設介護での期間が延々とかかってしまうことの弊害も丹念な取材で明らかにされています。元気なお年寄りの患者さんからは「自分にもしもの事があったら管を一杯入れるような治療にしないで下さい」とはよく言われることなのですが、実際の選択はご自身の意図でなくご家族の「何としてでもお助けください」の一言で決まってしまうことが多いのです。本書はあらゆる人たちに読んでいただきたい内容に溢れており、かつ、こうした治療を「意思表明が出来ないような患者さん」へ希望するご家族にご説明する時の「武器(あえてツールとは書きません)」として用意しておきたい一冊だと考えます。

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2013.09.21

中小岩小学校で「生活リズムと疾患予防」を講演しました

1309 自分が校医をしている中小岩小学校は今年70周年を迎えます。今週から11月までそのための行事がいくつか企画されていますがそのひとつとして学校開放(昔の授業参観)の行われた本日、5・6年生とそのご父兄を対象に「生活リズムと疾患予防」という講演をさせていただきました。5年前全学年を対象に「生活リズムで元気にすごそう」という講演を行いましたが、今回は対象が高学年のみとなったこととご父兄も聞かれることから生活習慣病との関連を(なるべく)かみ砕いてストーリーを考えました。この中で、手首式の血圧計を持ち込み、実際にお子さんの血圧を測ったりして興味を持ってもらえるよう工夫してみました。
 中小岩小学校は自分の母校でもあり、周年行事の一環で作成されたポロシャツ「なかこいわっしょい」の黄色いシャツを着込んで行きました。どれだけのお子さんの頭の中に残るかはわかりませんが、血圧(さらには血糖やコレステロール)に関心を寄せてもらえれば有り難いと思っています。

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2013.09.08

目々澤醫院ゲストブック(1)

1309_2 目々澤醫院では江戸川区医師会へ地域医療実習に来られる地元病院の研修医さんを受け入れております。今年の研修医さんは東京臨海病院から来られます。このため、「東京臨海病院臨床研修医指導施設」という立派な看板を同病院副院長の小林先生がお持ちになりました。謹んで診察室ドアに貼らせていただきました。大変お忙しい中ご来院いただき、ありがとうございました。

1309dave こちらはNovartis本社(バーゼル)の「Global Head Cardivascular and Metabolism」の肩書きをお持ちのDave Rylettさん。「日本の臨床医がどのようにDPP-4阻害薬を使っているかを知りたい」ということで同社のMRさんに連れられて当院へお越しになりました。かなり流暢な英語なのでどこのご出身かを伺ったところカナダの英語圏である、と。道理でクイーンズなのだね、と言ったら大変喜んでおられました。肩書きと目的がずれているようにも思えますが、どうもかなりの大物だったようです。

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江戸川区壬生総合臨床セミナー

1309 第9回江戸川獨協会を「江戸川区壬生総合臨床セミナー」と題して興和創薬のご後援をいただき銀座の三笠会館で開催致しました。ご講演は獨協医科大学神経内科・竹川英宏准教授で「アテローム血栓症としての脳梗塞治療」でした。最新のLancetの「古代のミイラにも動脈硬化」、「糖尿病そのものでは経頭蓋エコーでの血管病変はさほどなく高血圧が加わると悪くなる」などのお話をしっかり聞かせていただきました。残念ながらお食事はご一緒していただけませんでしたが、日常の症例で疑問に思っていたことなどもお答えいただくことが出来ました。壬生ではTIAクリニックもきちんと入院でやっていただける由。もし自分が発症したら抗血小板剤を飲み始めつつ栃木まで出向こうかしら。

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