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2014.04.13

「医は仁術」展と杉本真樹先生の特別講演

14041 上野の国立科学博物館で開催されている「医は仁術」展に行ってきました。江戸時代に、日本の医学はそれまであった漢方と(主として)オランダ経由で入ってきた西洋医学が合流し、解剖学・手術学・麻酔学などが発展を始め、さらに種痘などの予防医学を「仁」の概念でお金を払えない人たちにも実施するという現代の国民皆保険の基礎とでも言えるような形で広めていった、という歴史を紹介するかたわら、21世紀の医療としてiPS細胞の応用、3Dプリンタを用いた内蔵モデルなどで本来体内にある臓器を可視化・可蝕化する技術も紹介するという展示でした。「華岡清州の妻」という話は知っていてもそれが全身麻酔による乳癌手術の世界初例であったことなどはきちんと認識していませんでした。
14042 さて、本日は特別講演として敬愛する神戸医大の杉本真樹先生による「21世紀の仁術」という講演がありました。杉本先生は展示のうち3Dプリンタや体表面への内蔵データプロジェクションマッピングなどのプロデュースに関わられました。先生のプレゼンテーションはいつもの如くで、ほとんどの聴衆が一般の方々であったにもかかわらずグイグイと惹きつけ、時には和ませて所定の1時間半があっという間に過ぎ去りました。医療画像処理ソフトウエアであるOsiriXとの出会いなどは以前も聴講したことがありましたが、それ以後の3Dプリンタ技術の進展や臓器プロジェクションマッピングの応用範囲拡大などは非常に聴き応えがありました。
14043 会場となった国立博物館の講堂は歴史を感じさせる部屋で、しかし背面投射型スクリーンが備わっているなどきちんと現代対応も出来ていて「さすが国立」と思わざるを得ませんでした。先日上梓されたばかりのご著作「医療者・研究者を動かすインセンティブプレゼンテーション」にサインをいただくのも忘れませんでした。なお、夜にはTBS「世界ふしぎ発見」でも同展をテーマにした番組となっており、杉本先生も出演しておられ、実に内容の濃い「杉本デー」になりました。今後のご活動がより進展することを祈念いたします。

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2014.04.06

「医療者・研究者を動かすインセンティブプレゼンテーション」を読んで

1404_2 OsiriXを日本の医療に持ち込んだ第一人者、あるいは3Dプリンタを用いた外科手術シミュレーションの開発者などとして有名な神戸大学・杉本真樹先生の最新著作。すでに手許に届きながらもさる宿題のためページを開くのが遅れてしまいましたが、ようやく読了いたしました。このテーマでの先生のプレゼンを一度拝聴していることもあり、流れるようにイメージと文章が吸収できました。「最初に疑問を投げかけて」プレゼンを始めた方が良い、「Power Point death」に陥るな(プレゼンソフトの機能を目一杯使って凝りすぎてはいけない)、「論文のスライド化」を避けるべきだ、「聴衆と一体になれるよう」自分の立ち位置・表現方法を改めよ、プレゼンが終わってからも聴衆とコンタクトを取れるように配慮すべき.....総てのコマンドは前向きで、だから世間も彼の主張をどんどん受け入れるようになっていったのがよく理解できました。
 本書を購入すると視聴できるムービーが書籍内に案内されています。本書の重要ポイントをご自身でプレゼンしておられます。読んでからこれを見るとさらに理解が深まります。残念なのはメディアがWMVであったこと。本来Macintosh使いである杉本先生なら何故Quick Timeムービーも仕込んでくれなかったか、と悔やまれてなりません。
 杉本先生にインスパイアされ、これからも自分のプレゼンを磨いてゆこうとは思いますが、まだまだ先は遠いようです。

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目々澤醫院ゲストブック(2)

1401 1月23日にご来訪された葛西昌医会病院の理事長吉田生馬先生(左)と名誉院長阿波根朝光(中央)。阿波根先生には小生が当院に入った頃から体への世話になっておりました。当時、東京都の脳卒中救急は現在のように整備されておらず、さりとて江戸川区内には気心の知れた脳卒中治療のエキスパートもなくおろおろしていたところ、当時東部地域病院の脳外科におられた伊藤先生と(同じく)当時葛西循環器脳神経外科病院の阿波根先生が快く脳神経外科の懇親会へ迎えていただき、近隣の(ささやかな)脳卒中ネットワークに加わらせていただいたのです。葛西循環器脳神経外科病院は葛西昌医会病院へと発展し、阿波根先生も院長から名誉院長へなられたためのご挨拶でした。

1404 当院から約1km南に位置する江戸川病院・メディカルプラザ江戸川は、江戸川区北部の重要な拠点病院です。そちらの医療連携室をまとめておられるのが女川さんです。緊急の患者さんご紹介はいつも突然にしか発生しません。そうした時、いつも大変無理を聞いていただいております。4月1日にご来院されました。この日はちょっとしたメッセンジャーでお越しになりました。

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区民公開講座で脳卒中と頭痛について講演いたしました

1403 3月26日(水)午後3時より、小岩区民館において江戸川区医師会主催区民公開講座「脳卒中と頭痛:脳血管の病気を知ってしっかり予防しよう!」の講演を行いました。これは、江戸川区医師会学術委員会からの要請によるものでした。当日はあまり天候も良くなかったのにもかかわらず、40人近くもの方々が聴講においでになりました。脳卒中らしき症状とはどんなものか、またそうした症状に遭遇した時はすぐに救急車を呼ばなければいけないことなどをお話しし、また「頭痛を起こす病気」のご説明と、脳卒中とのつながりなどをお話しさせていただきました。
 講演にあたっては東京都が制作した「知って安心 暮らしの中の医療情報ナビ (脳卒中編)」をお配りして脳卒中への対応につきご自宅に持ち帰っても理解が進められるように配慮いたしました。ご聴講された皆さんに少しでもお役に立てればなによりと思います。

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