Appli Care 2014セミナー vol.1
医学生さんたちが「明日の医療に役立つアプリづくりのコンテストをしよう」という集まり、「Appli Care」は今年で2年目となります。2ヶ月後の本選に向けて、今回はアプリづくりのとっかかりを捜すための集いが催されました。主催の秋葉さんや横松さんに誘われておじゃまして参りました。会場はなんと!品川の日本マイクロソフト本社でした。とは言ってもiPadやiPhoneのアプリづくりを目指す医学生さんたちは圧倒的にMac所有者が多く、ちょっと「乗っ取っちゃった」雰囲気でした。
二つのセッションが用意され、一つ目は医師でありながらハーバードで経営学を学ばれ、医療改革を目指して起業されたという山本雄士先生の講演、二つ目は(医学生さんたちにとってはメインとなる)ワークショップでした。このうち、ワークショップまでおつき合いできる時間が取れなかったため、山本先生のご講演だけ拝聴して参りましたのでFaceBookに書き込んだメモを時系列で並べてご報告とさせていただきます。
21世紀の医療技術が19世紀型の組織や運営、支払い方式で提供されているのが現在の医療の実態である。これまで、医学部では病気を治す教育しか教えていなかった。そうして育った医療従事者からは一般の人に健康維持のための知識を与えてはくれることはない。今後は、トラブルシューティング型医療ではなく、健康を維持するヘルスケアのための投資が重要。健康に価値を見出していない人々がほとんどなので、「健康を売ろう」としても商売にならない。売るためには言葉を選ばなければならない。「気休め以上病院未満」がキーワード。日本の医療制度のおかげで自己負担が3割ということから医療の価値は実際の1/3ぐらいしか認められていない。国民皆保険があるおかげで日本で暮らす人たちは医療の本当のありがたみがわからない。未来の医療としては、先制的、個別最適、参加型の医療が目指すべき医療ではないか。そのために必要なのは精緻化、協争的(争いつつ緊張を保つ関係)などがキーワードになるのではないか。天才ドクターとか名人芸は有難くない。専門医療機関でしか出来なかったことがユーザーの手元で何とかなるようにすることがイノベーション。これは、日本全国どこでも均一な医療が受けられることを可能にする均てん化という要素でもある。
なかなか普段集まる医師仲間からは聞くことの出来ないメッセージでした。また、同時に日本の医療を知らない人たちに医療保険の仕組みなどをわかりやすく読み解いて説明もしておられました。アプリの作りどころも解説しておられ、ここからどのようなアプリが出来てゆくのか興味が尽きません。
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