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2014.11.17

江戸川区Stroke Prevention Conference

10363603_728121890611397_248808291011月17日(月)、錦糸町東武ホテルレバントにて標記研究会が開催されました。写真に写っている座長は江戸川病院循環器科の大平先生です。基調講演は済生会中央病院の星野先生。パネルディスカッションで「目々澤醫院でダビガトラン110mgが多い理由」を話させていただきました。80歳・90歳にもなる当院の情況ではどうしても「少量で安全に使える」ことが大切と考えております。

1932446_721640751259511_28144370947 同時に発表された慶田先生(江戸川病院)は「110mg投与で脳梗塞発症の症例」を2例報告されました。こうした問題は投与量だけでなく血圧コントロールや毎日の生活・食事習慣の管理にも差が生じるポイントがあり、一概に「こうしなければならない」とは言うことが難しいかと思います。

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第23回江戸川医学会(第二日目)

10422443_727451550678431_4661893816 16日(日)は、江戸川医学会第2日目。会場は第一日目の小ホールから研修室に移され、医師や医療者向けの研究会です。

7614_727354077354845_21155308464697 最初のセッションではカミさん(目々澤 雅子:みやび歯科院長・日本大学松戸歯学部臨床教授)がコツコツ5年間行ってきた区内中学生を対象としたフィールドワークを「中学生の歯肉炎におけるアンケート調査と健診結果の比較:平成19〜23年度結果の総括」「中学生における歯肉炎と頭痛性疾患の関連:質問紙法調査と健診結果から」として発表しました。

10377260_727450934011826_5734789859 最後の3年間はいずれも10,000名を超す大調査となりました。ここで、片頭痛と歯肉炎の関連があることも報告されました。

10612959_727450994011820_1457874526 歯科医師会からも聴講に来て下さった先生が質問にたって下さいました。

10624086_727451604011759_3425838687 院長も3人ほどの一般演題発表の座長をさせていただいたり、自分の症例報告などもいたしました。

10169442_727468974010022_4957017005 一般演題のあと、特別講演は日本大学病院眼科の湯沢美都子先生による「加齢黄斑変性について」。疾患そのものについての解説は眼科学会のHPをご覧ください。iPS細胞移植による治療法について大きく報道された疾患ではありましたが、これはまだ「移植した細胞が癌化しないかどうか検証中」という状態。あくまでも現在は(高額な治療法ではありますが)VEGF阻害薬の眼内注射などの治療法が最先端だそうです。

1609934_727470450676541_30203503140「目がかすむ」場合にはただ心配しているだけではなくまずはその病変の有無を確かめるため眼底撮影で確かめてもらうように、とのこと。もし前駆病変があるなら、まずは禁煙してAREDS2に基づくサプリメント処方を試してみること。ただし、この引用文献は米国人向けのため、4/5量で、とのことでした。

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第23回江戸川医学会(第一日目)

1411 11月15日、第23回江戸川医学会が江戸川区総合文化センターで開催されました。これは江戸川区医師会が、所属会員のほか周辺の関連病院などに声をかけて開催する学会です。初日は区民公開講座として特別講演会が開催され、その座長を務めました。演者は順天堂東京高齢者医療センターの一宮先生。会場は立ち見が出るほどの満員御礼でした。ご来場者数は700名を越えていたとのこと。来場された会員の皆さんは客席に入れず、控え室で小さなモニターでご覧になっていたそうです。

10806467_726955954061324_6401692872 一宮先生の演題は「認知症が心配なあなたへ」。一般の人たちにわかりやすく、しかし大切なことをしっかりとお話しいただけました。ご講演のあと、いくつか典型的な質問を先生にうかがい、江戸川区における認知症対策などを「認知症サポート医」「もの忘れ相談医」などとともにご紹介させていただきました。

10360612_726984937391759_2800998991 一宮先生と記念のツーショット。奇遇にも、先生とは卒業年(昭和56年)が一緒でした。なお、江戸川区医師会長の玉城繁先生は一宮先生の順天堂大学医学部剣道部の先輩だそうです。

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2014.11.13

第二回東部地域医療圏認知症セミナー

63977_724608250962761_4313667941737 11月10日、標記セミナーがホテルイースト21(江東区)で開催されました。特別講演は北海道砂川市立病院の内海久美子先生。先生は地域住民の方々を巻き込んだネットワークを作り上げ、人口8,000人の町で認知症診療に邁進しておられます。
 認知症は早期診断の難しさがあり、かつ患者数の増加から専門医だけでの診断ではおぼつかなくなっています。このため、病院の医師・コメディカルのみならずかかりつけ医、近隣の住民まで巻き込んだネットワークによる対応が必要となります。患者さんの家族に説明するときには画像などの客観的な説明もきちんと行っておられます。患者さんの状態判断の時には家族のみならず担当ケアマネージャーも含めて「家庭での状況」を聴取すること、特に悪化した点だけでなくよくなっている点なども確かめているとのこと。
 ネットワークはフットワーク。認知症への偏見解消と早期発見、ボランティアへの動機付けも目指している。地域住民参加型支援活動への行動、独居老人の通院支援などにも市民の協力が必要。認知症患者さんは何科もの受診が必要であり、仮に家族がいても通院支援は必要だとおっしゃいました。先生が作り上げたボランティア団体「ポッケ」には介護業者からも突然の依頼がくるほど「今すぐ」の依頼にも応えられるような体制を整えているとのこと。多職種事例検討会で顔がわかる連携を作ることによっていざという時に誰に頼むかをえらべるようになるそうです。バインダー式の連携手帳には「薬剤シール」を貼る欄があるが、全てのシールを貼らずに薬剤変更があったときだけ貼ってもらうようにしている。エンディングページもきちんと作ってあり、患者さん・ご家族に書き込んでもらうようにしているそうです。説明してもすぐ書き込んでもらえるわけではないが、折節尋ねるようにして考えてもらうようにしているとのこと。
10645061_724644574292462_8482417986 講演後の懇親会で内海先生とツーショットの写真を撮らせていただきました。どうもありがとうございました。

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2014.11.02

第15回日本ロービジョン学会学術総会

10389135_719532998136953_6822927035 当院のご近所、京成小岩駅北側で眼科を開業しておられる田中寧先生のお誘いを受け、大宮ソニックシティで開催されている日本ロービジョン学会にお邪魔いたしました。ご本人によると「予想を上回る参加数」とのことで、会場は賑わっておりました。何よりの驚きは、ポスターの前での熱いディスカッション。医者ばかりでなくパラメディカルの方々や患者さんも参加していたようです。

10351762_719539194803000_8852526076 展示では弱視対策のアイテムが。専用の機器で画面の白黒を逆転するだけでも見やすくなるそうです。同様の展示が6軒ほど並んでいました。中にはスキャナを使って読み込み、自動読み上げするものもあり、この手の市場が発展中であることを感じました。ロービジョンはいわゆる「弱視」なのですが、お子さんの時からそうなっていると周辺が単なる「知恵遅れ」と認識してしまい、指導がうまくいかないことがあるそうです。また、黄斑変性症などで高齢になってから症状発現して来る場合もあり、こうした時にはさらにツールへの依存が必要です。これらはきちんとロービジョンであると認定されれば補助が出て通常価格の10%負担で購入可能とか。

10712943_719538931469693_8550585664 5時半からパネルディスカッション「医療と教育の連携を問う - コミュニケーションギャップの克服に向けて-」。慶應義塾大学 日吉心理学教室の中野先生を座長に、獨協医科大学越谷病院 眼科視能訓練士の杉谷さん、医療法人橘桜会 さくら眼科の松久先生、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の吉田さんが順に登壇。

10713009_719546674802252_7080874939 2番目演者の松久先生。学校教育における「弱視のため困っている」子供への理解ができない教員への対策が必要、と。ベテランと言われる人ほど眼科からの提案を受け入れてくれない。ICTによる視能補助も受け入れず、学習・知能障害と一緒に扱ってしまう。結果として「困っている」子供をもっと困らせてしまう、とのこと。

10614256_719550714801848_4771366541 吉田さんによる行政・教育・学校側からの報告を聞いてから、壇上に3人が揃ってディスカッション。診断書が出ている児童にもきちんとした対策がうたれていないケースもある、と杉谷さん。吉田さんからは「場合によっては学校長あての公文書を作成してもらう方がよい場合がある」との返答。さすが教育はお役所仕事。在来の盲学校ではやろうとしてもロービジョン対策が十分に出来るとは限らない。座長の中野先生も「病院や医師は選べるが学校や教師は選べない」と強調しておられました。

1380507_719556511467935_86925977648 帰り際に田中先生を捕まえてツーショット。この学会は先生が所属していた獨協医科大学越谷病院が主幹でした。お疲れさまでした。いい勉強になりました。

(FaceBookで記載したものを転載いたしました:2014.11.01

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