11月10日、標記セミナーがホテルイースト21(江東区)で開催されました。特別講演は北海道砂川市立病院の内海久美子先生。先生は地域住民の方々を巻き込んだネットワークを作り上げ、人口8,000人の町で認知症診療に邁進しておられます。
認知症は早期診断の難しさがあり、かつ患者数の増加から専門医だけでの診断ではおぼつかなくなっています。このため、病院の医師・コメディカルのみならずかかりつけ医、近隣の住民まで巻き込んだネットワークによる対応が必要となります。患者さんの家族に説明するときには画像などの客観的な説明もきちんと行っておられます。患者さんの状態判断の時には家族のみならず担当ケアマネージャーも含めて「家庭での状況」を聴取すること、特に悪化した点だけでなくよくなっている点なども確かめているとのこと。
ネットワークはフットワーク。認知症への偏見解消と早期発見、ボランティアへの動機付けも目指している。地域住民参加型支援活動への行動、独居老人の通院支援などにも市民の協力が必要。認知症患者さんは何科もの受診が必要であり、仮に家族がいても通院支援は必要だとおっしゃいました。先生が作り上げたボランティア団体「ポッケ」には介護業者からも突然の依頼がくるほど「今すぐ」の依頼にも応えられるような体制を整えているとのこと。多職種事例検討会で顔がわかる連携を作ることによっていざという時に誰に頼むかをえらべるようになるそうです。バインダー式の連携手帳には「薬剤シール」を貼る欄があるが、全てのシールを貼らずに薬剤変更があったときだけ貼ってもらうようにしている。エンディングページもきちんと作ってあり、患者さん・ご家族に書き込んでもらうようにしているそうです。説明してもすぐ書き込んでもらえるわけではないが、折節尋ねるようにして考えてもらうようにしているとのこと。
講演後の懇親会で内海先生とツーショットの写真を撮らせていただきました。どうもありがとうございました。
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